むかしからお盆に海や川に入ってはダメとよく言われてきました。お盆にしか海や川に行けない人もいるのに、なぜ海がダメなのか海や川に近づく人も少なくなるのに事故が多発するのか、その理由を解説していきたいと思います。
お盆の時期には、海の自然環境が大きく変わる
みなさんご存知のとおり、一般的にお盆の期間というのは8月13日から8月16日といわれています。関東の一部地域などお盆のまつりごとを7月に行われるところもありますが7月は問題ないので今回とばします。
海水浴シーズンもお盆の時期になるとクラゲが大量発生することも多く、海の環境が変わります。
近年、世の中の自然環境が変わってきていますが、日の出日の入り時刻のように一定の周期で大きな狂いもなく自然の周期は流れています。
その周期的な自然の環境に海や川の状況も同じことが繰り返され、お盆のころになると台風が多くなり海の状況が大きく変わります。
そこで、お盆の海がダメな理由を説明します。
ひとつめが、お盆のころになると台風が多くなることから土用波というものが発生します。
この土用波というのは、台風などの影響で発生した波が突然大きな高波として現れる波のことをいい、遠浅の海岸でも飲み込まれると沖に引き込まれます。
これは穏やかに見えていた波が、突然高波になるので飲み込まれてしまいます。土用波が起きるくらいなので沖合の海流は激しくなっており足を取られ、なかなか岸へ戻れなくなってしまいます。
もうひとつが、離岸流といって波打ち際から沖合に海流が流れることをいいます。
この離岸流が発生する時期になると海流の勢いも強くなり、泳いでも泳いでも波打ち際にたどり着くまで大変体力を消耗します。
このように、ちょうどお盆の時期ぐらいに周期的に海の環境が変わります。
安易に考えてはいけない、予測できない川の状況
最近起きた西日本豪雨災害で川の怖さを知った方も多いと思いますが、お盆の時期にもなると川の状況や周辺環境も変わりやすくなります。
やはり、お盆のころになると当日晴れていても少し前の台風や雨による上流や山の見えない場所からの水で急に川の水かさが増したり流れが早くなったりして変わります。
お盆前後には台風などが増えるため、川の環境予測が難しくなるためです。
川でこわいのは、水の流れもですが川の水温が場所によって低く冷たくなるので子どものように小さいお子様は注意が必要です。
水温が下がると小さな身体は冷えて早く運動機能が落ちますので、おぼれやすくなります。
山から流れる水は夏場でも冷たく、わずかな水流の変化でも水温は落ちます。
川なら誰もがきれいな水質を好みますので、どうしても山に近いか山の中を選ぶため天候が変わりやすく、予測できずに増水してしまうことがあります。
お盆の時期には、その天候の変化の可能性が高くなるということです。
さいごに、もうひとつお盆にはダメな理由
お盆というのは、先祖の霊を含め多くの霊が現世に帰ってくる時期なのです。
もともとは、その先祖霊などのお祀りの時期です。
その霊の数が普段では考えられないほど何倍も多く、良い霊も悪い霊も現世に滞在します。
なかには現世に帰っても、祀りも供養もしてもらえない霊もたくさんいます。
このお盆にすべての霊が行き来するのが海や川になるのです。
だから、お盆の海や川がダメなのです。この時期の事故の原因のひとつでもあります。
私からしますと、これが一番大きな原因だと確信します。
それだけ多くの霊がいるために、悪い霊が死の世界に引き込もうとします。
お盆の終わる時期にお祀りしたものを、霊が帰る海や川に流す地域の風習があるところもたくさんあるわけです。
ということですので、くれぐれもお盆の時期に海や川で遊ばないで頂きたいと思います。